それは周りの話とか雑誌とかで、私も知ってる。

でもどのくらい痛いとか想像もつかない。


「ゆずも怖くてできなかった?」

「うーん…ていうかまだ覚悟が出来てないんだ。私まだ高遠くんのそばにいるだけで緊張しちゃってるし、もっと普通に高遠くんの横にいられるようになってからなんじゃないかなって」


さくらちゃんと羽柴くんみたいに、誰が見ても”カレカノ”って思えるような雰囲気になってからなんじゃないかなぁ。


「高遠くんは待ってくれるんだ?」

「うん。待ってくれるって」


笑顔で言うとさくらちゃんは私の両肩をポンと叩いた。

「あんま待たせるとさすがの高遠くんもシビレを切らすかもよ?ほどほどにね」


…笑顔が黒いです、さくらちゃん。



(やっぱりそういうもんなのかなぁ…)

男の子ってエッチしたいのかなぁ。

私はこの間みたいな幸せな時間があれば、それでいいんだけどなぁ。





さくらちゃんとバイバイして体育館に向かった。