「ごめんね、困らせて。でも真面目に考えておいて。俺本気だから」

そう言って、清水くんは立ち上がった。

「帰ろう」


何も考えられなくなった頭を一生懸命落ち着かせながら、私も立ち上がった。



部屋で勉強しながら、涙が止まらなかった。

清水くんの言葉が頭から離れない。


『あいつもう無理だよ』


高遠くんと話さなくてなってもう1ヶ月半近い。

また戻れるかもっていう期待も少しずつ絶望に変わってきつつあった。

そこにトドメを刺されたような言葉。


「高遠くん、そうならちゃんと言って欲しかったよ…」



人生初めての失恋は、人伝てに聞く辛いものだった。