「独占欲丸出し。重いなぁ、翔」
ニコニコしながら高遠くんの肩をポンと叩いて立ち上がる清水くん。
「明日も朝早いからそろそろ帰るわ」
そう言ってバッグを肩にかけた。
「柚香先輩も一緒に帰ります?」
「帰らないっ!!」
高遠くんがもうひと吠え。
「おぉ、怖」
じゃあまたな、って首をすくめて清水くんは帰っていった。
「高遠くん…?」
さっきからずっと私のことを強く抱きしめたまま。
腕の力はそのままで、高遠くんは私の首に顔をうずめた。
「ごめん、余裕なくて」
高遠くんがか細い声を出す。
私の胸の前で交差する硬い腕をギュって抱きしめた。
この腕がとても愛しくて。
「嬉しかったよ」
私の体を清水くんから取り返してくれて。
腕の中で守ってくれて嬉しかったよ。
わざと高遠くんを怒らせた清水くん。
わざと嫉妬させた。
まるで楽しむように。
(なかなか性悪だわ…)
ピロリン。
高遠くんのスマホが鳴った。
画面を見た高遠くんの顔がみるみる怒りモードに。
「あのやろう…」
高遠くんの腕に抱きついたまま画面を見ると…
『いいもの見せてもらったよ。ごちそうさん( ´ ▽ ` )ノ』
私まで顔が赤くなる。
清水くん…いろんな意味で危険人物だ。

