マリアンヌとサリーは、大通りを歩いていた。新聞社はもうすぐだ。歩いていくと、大きな建物があった。『The Daily News』を発行しているTDN社があった。
マリアンヌとサリーは守衛に来訪の目的を告げ、通してもらった。
マリアンヌは、広告を出したいと受付でいうと、この紙に書いてくださいと渡された。
マリアンヌはそれに必要事項を記入すると、新聞社を後にした。
マリアンヌとサリーが大通りを曲がり、小道に入ると、マリアンヌは自分が持っていたハンドバッグが手から離れたのに気付いた。マリアンヌのハンドバックは、前を全力で走っている少年の元にあった。
マリアンヌは盗みだと気づいて、「泥棒―!」と声を上げた。
マリアンヌはスカートの裾をつまんで、走り始めた。少年はとてもすばしっこく、どんどん先へ走っていった。
マリアンヌもできる限り速く走ろうとしたが、追いつけそうになかった。
少年はみるみる小さくなり、あっという間に消えてしまった。
マリアンヌは、ハアハアと荒い息を吐いて、立ち止まった。サリーが後からやっと追いついてきた。
「くそー、逃げられましたね。悔しいです。めちゃめちゃムカつきます。」と悔しそうに言った。マリアンヌはフーっと息を吐き、「ええ、そうね。でも、幸いなことにあの中には、金目のものはなかったわ。
少しの小銭が入っているぐらい。」「
本当、よかったです。不幸中の幸いです。でも、これからもやはり大金を持ち歩いては、いけませんね。お嬢さまのけががなくて、何よりです。」そういうと、サリーはマリアンヌの手を取り、家まで送ってくれた。