レモンとソーダと甘味料




私がヒロタと出会う前の話をしよう。
私は綺麗なお屋敷でしっかりとした物を着て人に言われた通りに動いていた。
掃除をしろと言われれば箒を持つのだ。
掃除をしろと言われれば雑巾を持つのだ。
掃除をしろと言われれば袖をたくしあげるのだ。
例えばこんな事もあった。
その日はたくさんの水が降っていて、そうそう雨というやつのことだ。
その日は大雨の大変な嵐の日でそのお屋敷に居たのは休暇を貰えなかった私とお仕事中のご主人だけだった。
他の人もいたのかもしれないけれど私は見ていないのだ。
その日私はご主人の部屋の掃除をしろと言われたのだ。
外の雨が窓をうつ。
ご主人は死んでいる。
私が殺したのかもしれない。
気づいたら死んでいた。

そうして私は屋敷を追われた。
そうして私はヒロタに拾われた。