好きって言ったら信じてくれる?




廊下に出ると、立花先輩がちょっと出たところで待っていた。



「コンピュータ室に行こう。」



私は、黙って頷くと並んで歩きだす。




いつもなら、先輩がなにか話題を振ってくれるのに考え事でもしているのか今日はやたらと静かだった。





多分、そのせい。



そう、沈黙の緊張感に負けたせい。



気がつけば口に出してた。





「先輩って委員長と仲良いですよね。」





「んー? まぁ、そうだね。」





明らかに、驚いた顔。




私自身も驚いた。




先輩は、あぁ、なるほどと呟くと意地悪く笑う。




「嫉妬?」




まさに今、頭を横切った言葉。




「違います!」




即座に否定するけれど、続く言葉が出てこなくてしどろもどろになってしまう。




「私は、ただ、仲良いんだなぁと思っただけですから!即、嫉妬とか思わないで下さい!」



「えー、冗談なのに。そんなにムキになると余計怪しいから。」




「う、」



先輩と話せば話すほど自分で墓穴を掘ってるような。



「安心して、水野。委員長とは中学からの腐れ縁なだけ。」



「別に、安心とか…。」



そこまで、言ってはっとこうやってまともに反応するからダメなのだと思い至る。



それに…、最初から 分かってる。



先輩たちの雰囲気は恋人のそれじゃない。



わかっているのに、先輩があまりにも楽しげに笑いかけるから仲のよさを見せつけられたような気になる。



でも、どっちにしろ私には関係ない。



そう分かってるのに。




先輩のキモチどころか自分のキモチもわからない。




いや、わからないふりをしてるだけ。





わかっているけど、もう少し。もう少しだけこのままでいたいと思ってしまうから。