「あ、水野おはよう。」



ちょうど、教室の前を通ったときだった。



ドアが開き、目が合い思わず立ち止まった。



ちょっとだけ驚いた顔をして、すぐにのんきな笑顔で教室から出てきた先輩に気持ちがザワつく。



「立花先輩…、何で居るんですか!?」



八つ当たりのように言った私に、先輩はポカンとしている。




「ここ僕のクラスなんだけど。」



素で言われても困る。だって…



「知ってますよ、そんなこと。でも、今出てこなくてもいいじゃないですか。」



「なにそれ理不尽。」



全くの正論に返す言葉もない。


それでも、先輩にあっただけでもドキドキするのに、まるでなんにもなかったように笑顔で笑われて、私の頭はパニックだ。