速い速い!思ったよりもかなり速い! 私は想像以上の速さに驚いて悠也の背中にギュッと抱きついた 背中からは悠也の香水の匂いがする。 安心できる匂いに落ち着いたと同時に航太が言った言葉を思い出す。 彼女………。 もし、もし本当に彼女がいたら。この匂いはその人のもので。この体だって、このバイクの席だって。全部。 私のものではない。 そう考えたら自然と前が滲む ダメ私。泣いたらダメ。