Four you ~2+2=4=2×2~

「ん? 何してるの?」

何も悪いことはしていないのに、体がビクっと反応する。

「あ、これはその、何て言うたらええんか…って…」

振り返って弁明しようとすると、私の目に、尾張先生の姿が飛び込んできた。

「演劇部、入部したいの?」

尾張先生の目には、生徒を注意する意志は感じられなかった。

「はい…。あっ、入部届って、確か顧問の先生に渡さないといけないんですよね…?」
「演劇部の顧問の先生って、どの先生ですか?」

本来なら職員室に行って顧問の先生を探すべきだったのだろうが、何せこの学校に来てまだ三日目。慣れないことも多く、そこまで頭が回らなかった。

しかし、私達が職員室に行かなければならないということはなかった。

「僕だけど?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「うん。僕が、演劇部の顧問」

数秒の気まずい沈黙。そしてその間にも、部室からもはや聞き慣れた声を含む談笑が聞こえる。

「…どうしたの?」
「いや、その、何て言うか、えらい偶然やな~って思って」
「そうそう、私達の担任の先生が、部活の顧問の先生だったなんて…」
「まさか先生がなんて、アタシ達全然想像してなかったんで…」

先生が少し顔を近づける。

「何? 僕、演劇部の顧問感ない?」
「いや、そういうことじゃなくて…」