Four you ~2+2=4=2×2~

「それで…話って?」

先生と、私と、おばちゃん。この三人で話すことなんて今までなかったし、これからもまずないと思っていたから、少し緊張してしまう。

「『クリスタル』…書いて下さって、ありがとうございました」
「お礼なんて言わんでええよ。書いたんかなり昔の話やし、今はもう小説なんて書いてないから」

全く話が読めずに右往左往していると、おばちゃんが助け船を出してくれた。

「あっ、詩音ちゃんには言うてなかったな…。おばちゃん、昔ちょっとだけ小説書いとってん。内藤二三って名前で」
「…じゃ、じゃあ、『クリスタル』書いたんって…」
「うん。おばちゃんやで。…詩音ちゃんも読んでくれたん?」

まさか、だった。まさか、こんなにすぐ傍に、いたなんて。そんな話題になったことがないとはいえ、何故今まで気づかなかったのか、あるいは疑いもしなかったのかが不思議でならなかった。

「あっ、それで…報告があるんです」

先生が改まった口調になる。

「ん? どないしたん?」
「僕、津田さん…詩音と、付き合うことになったんだ」
「…えぇっ!?」

まぁ、そうなるだろう。リアクションだけは想定内だった。

「それで、僕達を引き合せてくれた『クリスタル』を書いて下さった先生に、お礼が言いたくて。…本当に、ありがとうございます」