「……あっ」
ズボンのポケットに片手を入れ、面倒くさそうな顔して陸がこっちに歩いて来た。
「龍二が行けってしつけぇから…」
「…うん。来てくれてありがと。昨日はいっぱい迷惑かけちゃってゴメンね」
「……もう大丈夫なのかよ」
「アハッ。1日で完全復活しちゃった」
陸のバカ…。
らしくないこと言わないでよ。
優しい声なんてかけられたら
あたし…バカだからすぐに喜んじゃうんだよ。
それに言わなきゃいけないことが言えなくなっちゃうじゃない。
とぼけたフリをしたけど大事な時にヤバいな…。
早くも涙腺が怪しくなってきちゃった。
お願いだから…あと少しだけ我慢して。


