キミに…Kiss

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「はーはー…」


誰もいない屋上で何度も深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。


ケータイのディスプレイに映し出された



【12:50】の時刻。



後で10分でお昼休みも終了。


「……来てくれるかなぁ」


陸を待ち続けて、もう20分が過ぎていた。


絶対に来て欲しい。


来てくれなきゃ決心が鈍っちゃう。


今だったら、あたし ちゃんと陸に言えそうだから。


だから、ここに来て。



────その時…



錆びついた古い扉がゆっくりと開いていった。