キミに…Kiss


「おはよう。昨日はいろいろ迷惑かけちゃってゴメンね」


勇気を出して、スニーカーを脱いでいる陸の背中に話しかけた。


「…………」


でもこっちを向いてくれたけど、陸はなにも喋ってくれなくて、そこへタイミングよく登場してきたのが


「愛理ちゃんが話しかけてんのに無視すんなよっ!」


いつも陸と一緒にいる龍二くんだった。


「龍ニくん、いいから!あのね陸に、ちょっとお願いがあるの。お昼休みに屋上に来てもらえないかな?5分でいいの…お願いっ!!」


「なんで…俺が…」


「そんくらい行ってやれよっ!」


「最後のお願いだから。じゃぁね!」


それだけ言い残し、教室に向かって階段を一気にかけ上がる。