「陸くん、どうしたの?」


昔のことを思い出していた俺の顔を母親が心配そうに見る。


なに…俺 おかしなこと思ってんだよ。


ただあのキスにビックリしただけだろ?


「…べつに。俺そろそろ帰ります」


「ちょっと待って!最近ね、愛理が元気ないの。なんか理由とか知ってる?」


「俺はなにも知りません」


「そう。じゃあ、ヘンなことを聞くけど、陸くんは好きな人とかいる?」