キミに…Kiss


「なんかあったんだろ?」


「……ハハ。陸は全部、お見通しだもんね」


「お前がわかりやすいだけだし」


長いまつ毛を伏せて俯きがちな表情を見せる時は、悩んでいる時で…それが俺を呼び出す時でもある。


それがわかってても、会いに行ってしまう俺も美華のことは言えないのかもしれない。


「なんか作るから、うちに来てよ?陸に話を聞いて欲しいし…」


これがいつものお決まりのパターン。


美華の中で俺は簡単に部屋にあがらすことができる対象で


俺が“男”っていう意識が完璧に抜けているんだ。


それが最近かなりムカつく。