「お待たせっ!!」 「いきなり電話かけてきたと思ったら遅刻かよ?」 「まぁまぁ。そんなに怒んないでよ!ねっ!」 今、目の前に広がるこの映像は一体なに? 「イテッ…」 自分で頬を摘まむと、ちゃんと痛さを感じた。 「陸と一緒にいるあの美人って誰だろ?」 龍ニくんの無神経バカ! それを今、誰よりも聞きたいのはあたしでしょ? そこに立っているだけで、みんなが振り返るようなきれいな人。 陸の隣で笑っている彼女から目を逸らすことができない。