腕の中でまた陸のことを想って、涙が溢れてくる。


その間パパはずっと黙って…あたしを抱き締めてくれた。


ようやく涙が止まった時


背中に回されていた長い腕が離され、パパがしゃがみ…あたしに背中を向けた。



「……さぁ帰るぞ」



それはまるで…あたしが5歳の時に陸におんぶしてもらったようで──・・・