静かな部屋の中で、父親の落着いた低い声だけが聞こえ…俺の心を震わせた。



「君だって…同じなはずだ。離れたからって…すぐに愛理への気持ちまで離れるか?」


「だけど……」


「俺…毎日泣いてる愛理を見てるのが辛いんだ。それに愛理に母親と同じ想いもさせたくない…」


そう言われて脳裏に浮かんできた…アイツの泣き顔。


その瞬間、胸をキュッて苦しいくらい締めつけられる。


さらに声のトーンを落とし、俺の目をしっかり見つめて父親が続けた言葉は──・・・


「今、愛理のことを想って君がしていることは、結果 愛理を悲しませてないか?そして それと同じくらい…君も今 傷ついてる」