【 陸:side 】



 ♪ ~ ♪ ~


鳴り止むことを知らないケータイ。


着信はいつも同じで…そうアイツ。


それを無視し、俺は準備に集中していた。


忘れようとしても、忘れられない…あの時のアイツの悲しそうな顔。


それを見た時、すぐに立ち去ることしかできなかった。


辛くて辛くて…もう胸が押しつぶされそうで──・・・



『愛理……俺たち別れよ』



けど、あぁ…言うしかなかった。


「これが1番いいに決まってる」


何度も自問自答しては、自分に言い聞かせるようにそう呟いた。