あの時──・・・



『愛理……俺たち別れよ』


『ハハッ。なんの冗談のつもり?普段、そんなこと言わないクセに』


『……冗談じゃねぇから』



あたしの目をまっすぐ見つめる陸が今まで見てきたどの瞳より真剣すぎて


一瞬、怖いとさえ思った。


そこで…タイミングよく止まった観覧車。



『わりいけど…。今日は送ってやれねぇから』


『ちょっと待ってっ!意味わかんないよ。あたしのことが嫌いになっちゃった?』



あたしは立ち上がろうとする陸のダウンジャケットを裾を必死で掴んだ。



『お願いだから、そんなこと言わないでよ。あたしに悪いところがあるなら直すから!』