この観覧車が地上に着くまでの20分間が
ずっと ずっと いつまでも続けばいいのに──・・・
肩に愛理の温もりを感じながら何度もそう思ったけど
小さな箱はゆっくり…でも確実に頂上を目指してく。
「あっ!あたし、陸にプレゼントがあるんだった」
急に肩から頭を離した愛理がまっ白い毛糸のバックの中に手を入れて、ゴソゴソしはじめたと思ったら
「メリークリスマス♪」
赤いリボンがついた長い箱を俺に差し出した。
「開けてみて?」
嬉しそうに俺の顔を見るその表情を横目にリボンをほどいていく。
「……ストラップ?」
「うんっ。一緒にあのショップに行った時にね、陸をイメージして選んだの」
あの日、自分のモノも見ないで…ずっとガラスケースの前に張り付いてた愛理。
なにを一生懸命見ていたのかと思えば──・・・
俺は黙って、チェーンに星がついてあるストラップを自分のケータイにつけた。


