キミに…Kiss


その後、少しの間 愛理が喋んなくなった。



「おい?お願い言うの…やめたのかよ?」


「ううん…そうじゃなくて。今から真剣に言うからちゃんと聞いてね?陸…イブの日なんだけど、あたしと一緒に過ごしてくれる?」


「え」


「実は…その日、あたしの誕生日なんだぁ」



それはいつもの元気な声からは、想像もできないくらいの切ない声で。


「……ダメかな?」


首に回された手にもギューッと力が込められてきた。


「お願い」



それにピタリと立ち止まった俺。



「さっき お前、最後って言ったよな?」


「え?うん」


「これが最後なら聞いてやってもいいけど…。もうお前のキリがないお願いを聞かされなくてもいいし…」


「それ、ホントっ!?」