───それから数分後。
「はぁ…最悪」
「あたしはサイコーだけどね!」
どうして溝にはまってたヤツが、こんなに今ご機嫌かって?
そんなの、俺が聞きてぇよ。
こっちはため息が止まんねぇし。
『くれぐれも慎重にやってよ』
愛理がそう言ったあの直後、俺を悲劇が襲った。
愛理のブーツを力いっぱい引っ張ったら、見事にやってしまった。
ブーツは無事溝から脱出したものの、ヒールが折れて溝にはまったままになってしまうなんて…ついてねぇ。
で、片方のヒールを失くした愛理が俺の背中にいるってわけ。
「やっぱり陸の背中、大好きっ!」
「だぁ─っ!耳元で喋んなって!!」


