「置いてかないでよ!じゃあ、その代わりにお願いがあるの」


小走りでまた俺の隣にやって来て腕を組み、必殺の潤んだ大きな瞳で…得意の上目づかいを向けてくる愛理。


コイツの母親そっくりのその目に…実は俺はかなり弱い。


「……なんだよ」


「今度の日曜日に一緒に映画に行くでしょ?その時に観たい映画があるの」


「イヤな予感がすんだけど、ちなみにそれって……」


「フフッ。『ずっと…一緒に』っていう超~純愛でね。めちゃ泣けるヤツなんだ!」


「……却下!ぜってぇ俺ムリだし」


「なんでよぉ~っ!」


「そんなん俺が観れる訳ねぇだろ」


「じゃあ…“あいりん”って呼んでくれる?」


俺にとってはそれは究極の選択で、ジーッと俺の顔を見つめる愛理に俺の出した答えは…