【 陸:side 】


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いつの間にかイチョウの葉が姿を消し、町全体がもうすぐクリスマスムード一色になろうとしていた…その頃。


「りくりく~♪」


「なぁ…お前、確実に今 調子に乗ってんだろ?」


「クスッ。バレたぁ?だって…すんごく幸せだしっ!」


はぁ……。なにが悲しくて『りくりく~』なんて、呼ばれなきゃいけないんだっつうの!


それにしても、最近よく思う。


人間の順応性ってヤツは、すげぇな…って。


ウザい愛理と付き合うようになって、2カ月が過ぎようとしていた。


俺が許可した訳でもないのに、毎朝 学校の近くまでこうやって手をつないで2人で登校してるんだもんな。


なんだかんだいって…コイツのペースに完全に引き込まれている俺。


「でね、陸にも“あいりん”って 呼んで欲しいんだけど?」