キミに…Kiss


2人に注がれる周りの視線を全然気にせず、陸はあたしの手を引いたまま…どんどん前へと進んで行く。


そうして、連れて来られた…場所は。



「陸、どうしたの?」



風が吹き抜ける…誰もいない屋上だった。


繋いでいた手を離し、フェンスに背を預けると、また陸が黙り込む。


しばらく、そうやって…なにも言わないままだったんだけど、突然


「……アイツ、だれ?」


そんなことを聞いてきた。


「へっ?アイツって、誰のこと言ってるの?」


「……さっき、お前が一緒にいたヤツ」


「えっ?さっちゃんとゴロちゃんだけど」


それがどうかしたのかな?


下から陸の表情を覗いてみる。


「……なにがゴロちゃんだよ?」


「え?今…なんて」


すると、大きな瞳があたしを見つめ返してきた。