「なんでもねぇから、覗き込んでくんな!」


急に立ち止まったかと思えば…。


下から俺の顔をジーッと、見てきたデカい目にヤバッと思って



────パチンッ!



「痛いよぉ!陸」



おでこに軽くデコピンをして、接近を回避した。


危なねぇところだった。


てか、俺…おかしくね?


きっと それは、いつの間にか 気になっていた…コイツのせいだ。


あん時、コイツが目を潤ませて、俺のことを『す…き』って言おうとした瞬間、それを遮って…俺はキスをしていた。



『あん時にお前にされた…必殺ワザのお返し』なんて



そんなことを言いながら、胸ん中は余裕なんてゼロで。


今さら急にコイツのことを意識するなんて──・・・


こんな感じで、自分の気持ちをはっきりと伝えないまま…はじまった2人の関係。