「昨日、あの子に怒られながら陸のことが羨ましくなっちゃった。あたしも…あんなに誰かに強く想わたいなって。あの子…陸しか見てないよ。周りも気にしないで、お店の中で大泣きしてた」




『───あたしは陸だけが好き』




そう言ったのが…誰だかすぐにわかった。


つーか、他にいないし。


店の中で、しかも知らないヤツに向かって…いきなりなに告ってんだよ。


だけど、いつもどんな時もずっと──・・・



アイツは俺だけを見てくれていたんだ。



そして、その存在が俺の中で自分でも気がつかないうちに…大きくなっていたなんて。



「美華、俺さ……」