「えっ?愛理 どこに行くのよ!?」


あたしは迷わず席を立ち、彼女のところに向かった。


「どういうことですか?」


「えっ?あなた…誰」


あたしを不思議そうに、彼女が見上げる。


目に痛いぐらい焼き付けたその存在をあたしが忘れるはずがなかった。


「ちゃんと答えてください」


自分でも見たことがないくらい、今すごく怒った顔をしていると思う。


腹が立って、体中が怒りで溢れている感じ。


あたしはこの時…生まれてはじめて人を睨みつけて言った。



「どうしてですか?あなたには陸がいるのに……。陸を傷つけたら、あたしが絶対に許さないから!」