急に声が小さくなった…さっちゃん。


その視線の先はあたしから後ろの席に移っていて、なにやら新しいモノを発見した様子だ。


「早く見てみてったら!めちゃめちゃカッコいい人がいる」


さっちゃん…またですか?


さっちゃんはイケメンに弱いんだから。


はぁ…とため息をつきながら、あたしも後ろを振り向いてみた。



「…………」


「見た?あの人、あたしのめっちゃタイプ!」



さっちゃんの声が耳には全然届いてこない。


なんで──・・・?


だって、今 それどころじゃない。