いつも練習中、どんなに俺がイヤな顔をしても 『陸、ガンバッて!』 と口パクで言ってきて、先輩たちに気づかれないように俺に小さく手を振ってくるバカ女。 だけど、今日は俺を避けているかのように、こっちを全く見ようともしない。 その態度がますますイラつく。 そんな気持ちを抱えながら、龍二とようやく片付けを終え体育館を出た時だった。 「陸、あれ見てみろ!」 「急になんだよ」