さらに翌朝 教室に入るなり、龍ニが俺のところに真剣な顔をして走って来た。
「陸、見たか?」
「慌ててどうしたんだよ」
「落ち着いていられっかよ。愛理ちゃんが男と登校してたんだよっ!」
「……は」
「あぁ~くそっ!!モタモタしているうちに、先越されたかもしんねぇ!」
───ガタンッ
龍二が悔しそうな顔をして、俺の隣のヤツの机を蹴った。
「聞いた話によればだな。少し前から3年の蓮見(はすみ)ってヤツが愛理ちゃんに声をかけてたらしい」
「……蓮見?」
「そう。お前も見たことぐらいあんだろ?いつも女に囲まれてるサッカー部のキャプテンの連見だよ!」
龍ニが隣で“蓮見”ってヤツの名前を繰り返し、自分の頭をクシャクシャ掻き始める。
「朝からうぜぇんだよっ!」


