こんなふうにはじめは美華のことなんて、なんとも思ってなかった。
でも、いつの日だったか…美華が俺に本気で怒ったことがあったんだ。
たぶん模試の結果が原因で俺が──・・・
『いくらやっても同じだよ。俺は翔みたいにできないんだ!』
『ちょっと成績が悪かったぐらいでなによ!いつまで翔くんと自分を比べるつもり?陸は一生懸命やったじゃない』
目に涙を浮かべながら、美華がそう言った。
「……ハハッ」
今、思い出しても、かなり笑える。
美華の必死な顔。
俺のために泣くアイツを見て
その時 はじめて誰かが俺のことを心から心配してくれてるってことを感じた。


