でも、1度勉強で行き詰まる時があった...。
そんな時に父が、母の話をしてくれたのだ。
「お母さんはね、研究員だったんだよ。」
父の話し方は、とても穏やかだった。
母の事を話したがらない父なので、期待と同じくらいの不安もあった...。
「星座や宇宙の研究をしていたんだ。出会ったのは、大学生の頃だよ。お互い星空が好きでね~。」
初めて知った、父も母も星座とかが好きだったなんて。
私は、なんとなく関係があるのかなと思っていた疑問を言ってみた。
「私の名前って、星座にちなんで付けたの?」
父は、にこやかな顔で頷いていた。
「でも、星とかはついてないよね...?」
そしたら父は、いいやちゃんとついてるよと言って仕事へ行ってしまった。
初めて母の事、父の事を知れて嬉しかった。
やはり、いろいろ考えると頭痛が酷くなる...



そう...私は、昔の事をちゃんと覚えていない。
でもたまに見るのだ、あの誰かも分からない少年との会話の夢が―。
星の綺麗な夜に゜:。* ゜.

立花 沙織、春から高1の15歳。

記憶のピースが少しは集まるかもしれない―…。