【朝比奈昌弘】




悠真が仲人の屋敷に引きこもり

十日たち


縁談の日


警護に広沢と佐々木
それに、近藤と土方をつけた



「先にお知らせしておきますけど
顔合わせの日の悠真は、別人ですので」




広沢の言葉の意味は、すぐに理解した




煌びやかな着物とは、まるで正反対

どす黒いがぴったりな、暗い表情をした

悠真が仲人の屋敷から出て来た




「どうした?お腹痛いのか?」


悠真の頬に触れようとすると

スルリとかわされ、籠にのる

そばに行き



「断っても良いからな」


「断りません」



「一度断った相手なので
今回は、悠真もやっと、その気になりました!ご心配ありませんよ!」



仲人は、自信満々だ


仲人を屋敷に待たせ、出発した








俺と悠真が、待ち合わせの店に入ると

あろうことか、酒を飲んでいる


「ほぉ~こっちじゃ!!
こいこい!!」


まるで、遊女でも呼ぶように

膝に乗れと言う



悠真も引き攣っているが、ニコニコと

男のそばに行き、引き寄せられ

あっさりと膝に抱きかかえられる



「柔らかい頬だなぁ」



悠真の頬を手で摘まむ



「早く着物を脱がせたいのぉ~」


などと、言い

着物の上から、胸に手を添えた


「きっさまぁーー」



我慢の限界に達した


抜刀し、男に刀を向けた



「ひぇーー破談じゃ!!破談じゃ!!」



男は、逃げた