「悠真!君にお願いしよう!
実は、修理に出すべきか悩んでいたのだ」


「ん?何をです?」


話がそれると、いつもこうなるのか…


「ほら!刀の事ですよ!」


僕が悠真に言うと

にこにこが更に増し


「はい!では、早速!!」


僕に鞘側を持たせ

柄巻を解いていく

風呂敷から墨のついた和紙や紐

道具を出して、巻き直しを始めた


悠真の目が、急に職人の目になり


あっという間に柄巻が終わった


その手つきの鮮やかな事


「一度刀を抜いてみて下さい」


近藤さんが柄に手を掛け


「素晴らしい」


刀を抜き、少し振る


「なんと!これほどまでに違うものか!」


「お気に召しました?」


「あぁ!!素晴らしい!!
ありがとう!礼をさせてくれ!」


「職人ではないので、礼はいりません」


「そういう訳にいかん!!」


「なら… 」




悠真は、にっこり笑って



「今度の仕事で大阪に行きますでしょ?
その時に、美味しいぜんざいをご馳走して下さい!良い店しってるんで!!」


「お前もいくのか!?」


「ん?行きますよ?」


「なんで?」


「私が人選任されましたから…
浪士組の初仕事ぶりも拝見したいですし?
いけませんか?」


「…悪かねぇが」


「貴方…女性でしょう?」