まだまだ寒い、ある日





土方さんの買い物に付き合い

団子をご馳走になり、帰っていると




橋の上で、物思いにふける悠真…



「珍しく、浮かねぇ顔だな…」


土方さんが、ボソッと呟く


声を掛けようと、手を上げた


え?



悠真は、刀を川にポイッ


バシャン



と、音を立てた



その時には、土方さんが走り

川に飛び込んだ




橋の上から、僕のいる所まで

血相を変えて走って来た悠真は



「土方さんが死んじゃう!!
どうしましょう…沖田さん!!
どうしましょう…私のせいで……」



すっかり、取り乱していた



「悠真 大丈夫だよ!」


「どうしましょう… 沖田さぁーん
ふぇっ えぇっ」


悠真が、泣き出してしまった


「悠真 土方さんは、凄く泳ぎが上手で
冬でも、へっちゃらで
このくらいの川は、全然余裕なんだよ」


いくら宥めても

泣いて取り乱していた


「どうしましょう…
土方さんが死んじゃった…」




カタカタと震え、本当に怖がっていた



ピタッ ピタッ と水を落としながら

川から上がってきた土方さんが


「おい……勝手に殺すな」



そう言って、悠真の刀を目の前へ



刀には目もくれず


「ふぇぇーーーん
よかったぁー 生きてたぁー
沖田さん!!足ありますよぉー!!」


土方さんと僕の袖を掴み

大喜びした



「あっ!!風邪ひいちゃう!!」



そう言って、掴んだままの袖口を

グングン引っ張って、走る



「早く!!風邪ひきますよ!!!」







あまりにも、コロコロと変わる悠真に

走りながら


土方さんと目が合い


苦笑い