さすがにあの大声だから

試衛館の皆が、出迎えた


にこにこしながら


「近藤さんにお会いしたくて!!」









なんていうか…




憎めない子だね






「近藤さん!刀を貸して下さい!」

「この前見ただろうが…」


土方さんが、言うと


にこにこして


「この前は、見ただけですから」



近藤さんが、刀を悠真に差しだした


「どうぞ」



近藤さんったら、すぐに人に心を許すんだから!!!


悠真は、刀を受け取ると

僕らから離れた


そして、刀を腰にさし

懐から紙を取り出し、少し折り


上にぽーんと投げた


刀に手を掛けたかと思えば

斎藤君みたいに、居合抜きで


シュッ


紙を真っ二つにした


そして、刀を鞘に戻し


切った紙を拾い


切り口を見る


「やっぱり…」


なにがやっぱりなのか…

悠真の不可解な行動を

僕らは、無言で見ていた