少し待つように言われたので

厠に行かせてもらった







「私って……必要ですか?」








それは、悠真の声だった



「必要だから、其方を京に招いた」



相手は、容保様…



「でも、みんな嫁にいかせようとばかり」



「そうだな…悠真が、可愛いからだな」



「容保まで!無理に褒めてくれなくても
馬子にも衣装なんでしょ!!」


「誰が言った?」


「佐々木さん…」



「照れ隠しだろ」


「意味がわかりません」


「江戸に帰ろうかなって…
帰って、出家でもしようかと!!!」



ガタッ



「バカ言ってんじゃねぇ!!
江戸に帰るだと?出家だと?
俺は、悠真が必要だ!!!
ヘンなこと考えんじゃねえ!!! …あ」



「盗み聞きとは、良い趣味だな」





しまった!!!




ついつい!!!




「ふふふっ ごめんなさい
私が容保様を引き留めたから、待たせましたね
失礼します」






悠真が行ってしまった





「あれは、照れ隠しだな…」



は?





「必要だと、はっきり言って貰えて
嬉しかったのだろう
逃げることないのに…」