【近藤勇】



政変の褒美が届けられた


「新選組、拝命おめでとうございます」


悠真と佐々木さんと広沢さんから
祝に酒を貰った


「もし、お嫌でなければ
こちらで祝宴しません?私、料理します」


「いいのかい?
わぁ!!皆、喜ぶよ!!!」


「近藤!俺と広沢さんもいいだろ!?
また、酒の差し入れする!」


「もう、いただきましたから!!」


「近藤さん!この人達、恐ろしく飲みますから、自分達の分は、持参させて下さい」



悠真がそう言ったので、甘えることにした



「では、私 料理の買い出しに行きます」

「待ってくれ、荷物持ちに永倉、原田を
やろう」

「はい 助かります!」



黙って横にいた歳が、呼びに行った




「悠真…」




低く唸った男


悠真が振り返って



「お兄ちゃん!!!なんで!?
どうしてここに!?わぁ!!久しぶり!」


明らかに不機嫌なその人に

抱きついて、ニコニコと見上げる


「……歩兵頭になってな
春過ぎにこちらに来る予定が、今になり
慶喜公に聞けば、容保の所だと
容保に聞けば、広沢の所だと
広沢を探してここに来たが
なぜ、そのような格好なのだ!?」


「動きやすいの!」


「……そうじゃない!!!
お前は、嫁に行く為に京に来たのだろ!
なぜ、男装している!?
まさか!? 新選組に入っているのか!?
お前を危ないめにあわせる為に
剣術を教えたんじゃないぞ!!!」


「はい!護身用ですよね!?
お兄ちゃん!私ね、嫁に行くの辞めた!
今ね、楽しいの!!!」



顔を引き攣らせ、プルプル肩を震わせて



「なんと……なんということ……」


「ん? 怒ってる?
あっ!近藤さん!
お兄ちゃんも宴にいいですか?」




悠真の天真爛漫さに、呆れ


広沢さんも、佐々木さんも


苦笑いだ