城の中に入ると

少し緊張してきた



時々すれ違う方々と、気軽に挨拶を交わし

ヒョウヒョウと歩く、悠真に

ついて行く




通された広間には、すでにいい臭い


ぜんざいが、鍋ごと置かれていた




僕らが用意された座布団に座ると



家茂様がいらした


頭を下げると


「よいよい!今日は、目付役もおらぬ
無礼講としよう!」



「配る?注ぎ分ける?どっちがいい?」


悠真… 嘘でしょ…


「んー注ごう!」

「ならね、白玉を3つづつ入れてね!
そうそう、それくらいね」


普段、敬語の悠真が家茂様にタメ口…


お膳にお茶と漬物をつけて

悠真が運んでくれた





「家茂そこ遠いから、こっちで
一緒に食べようか?」


「そうだな」




なんと!!!


こんなに近くに!!!





「悠真、箸がない」


「わ!!忘れてた!!待っててね!!」



ドタバタと悠真が部屋を出た




「慌ただしい奴だな
浪士組に世話になっていると聞いた
これからも、よろしく頼む」




「世話になっているのは、私達です!」


近藤さんが、言うと



「悠真は、刀と同じくらい
人を見る目がある
会津でも、本当に心を許している
馴染みは数名だが
浪士組は、皆が好きだと言っていた」



家茂様の言葉に、ジーーーンと

感動した