着物が男装から、女物の寝間着になっているところをみると、私の体の痣は
見られているはず


そのことには、ふれてこない


高杉晋作は、口は悪いし
乱暴だけど、なんか憎めない


桂に拾われて、食事がだんだん食べれるようになった


不思議……





今日は、川原におにぎりを持って

3人で出掛ける




久しぶりに屋敷の外




なんだか、気分が良かった


「悠真より先にあそこに行く!!」


晋作が走り出した


「やだ!!晋作に負けたくない!!」



「こらこら!はしゃぐな……」


呆れる桂を置いて、2人で競争した





2人で目指した所についたけど


どっちが勝ったのか


わからなかった


「かつらぁーーーどっちが勝った?」


「みてない」



「私よね?」

「俺だ!!」


「みてない!!」


「「役立たずぅーー!!!」」



「勝手に始めたんだろうが…」





とっても楽しい

たくさん笑った

いっぱい話をした



「大丈夫だから!こい!」


晋作に手を引かれ川に足を入れる

「こっ…怖い~
本当に、特別な訓練を受けてるのよね?」


「俺は泳げる
何より、この川は、足首ほどしかない
ここで溺れるバカは、いないさ」


あの日から今まで、湯につかることはあっても

流れる川に足を入れるなんて

考えることもなかった



「冷たい~ひぃ~」



怖いやら、冷たいやら


でも、一つだけわかった


晋作は暖かい


「熱があるんじゃない?」

「微熱だよ、気にするな」

「ダメ!!かつらぁー帰ろう!!」



晋作の手を引き、川を出て足を拭く


「川に入れたな!」

「うん!溺れなかった!」


晋作は、沖田さんの症状に、にている

多分… 労咳


私にかまってくれる人は、労咳を患う


「晋作 ありがとう」

「はぁ?気持ち悪!!」


素直に御礼を言えば、こうして

茶化してくる


「さっ!帰ろう!!」