【徳川悠真】




「少し散歩をしましょう」





沖田さんと私は、庭へ


「悠真、本当に本当に、帰らないよね?」


「ええ、今回は」


「良かったぁ~」






え……






私は、ピタリと足を止めた

私の見ている光景に、沖田さんが

気づいて、私の前に立つ



「悠真… 大丈夫?」



胸が張り裂けそうとは、この事



沖田さんが私の肩に手を置こうと

近くに来たけど

沖田さんの胸を押し、一歩下がった



「大丈夫ですよ
私は、もう…土方さんの事
何とも想ってないですから」



これでもかっ!ってくらい

にっこり笑ってみた



「沖田さん、好きな食べ物は?」


「甘味」


「夕餉のおかずですよ?」


「僕の好物を作ってくれるの?」


「そのつもりですけど?」


「わぁ~何にしよう」


「一つだけです!」


「ええ! うーん……煮魚!!」


「……そんなんでいいの?」


「甘めにお願いします!」


「わかりました!
お魚買いに行ってきますね!」