【徳川悠真】




「悠真、此奴らは、信用にたる
疑わしくもなければ、嘘もない
俺も、もう少し京にいるから
新選組に帰って、思い直してみろ」




信じて…… 


そして、裏切られたとき


私は、死ぬより辛い





「どんなに思い直しても、変わらない
沖田さんの支えになりたいと思う気持ちも
あるけれど……
それでも、江戸に帰りたい」





「兎に角!!
一旦、新選組に戻って、話をしてみよ」







私達は、無言で新選組までの道のりを歩いた


苦しい


この雰囲気も


裏切られることも



利用されることも










ドカッ 「うっ…」






屯所に戻るとすぐ


おタエに背中を蹴られた





「土方さんの隣を歩かないで」




コクコクと頷いた










仲人さんと違い、おタエには

手加減がない





私… おタエが解放してくれるかも






沖田さんが、私を必要としてくれたよりも


おタエに解放される


そう思う方が、楽だった




この痛みに耐えれば

私は、もう悩まなくていい


人を疑わなくていい


笑顔でいなくていい