「私なんて、いなくてもいいでしょう」






悠真は、真顔でそう言った




そして、ニコニコに戻して



「私… 
苦しいの… 辛いのよ…
こんなふうに
作り笑いは、もう嫌なの
疲れたのよ…

今度こそ……出家する」




笑顔とは、裏腹に悠真は、弱音を吐いた




「ふふっ 言えた……」




俺を慕っていると言ってくれた


あの日と同じ


本音を表に出したのだ







「……離れたくないって、言ったら?」


「今は、雪がないので
川に飛び込みます」





答えを用意している悠真は、笑顔を崩さない



「僕は、悠真が初恋の人なんだ
悠真が土方さんに、想いを告げた日
僕は、すごく悔しかった
なんでこんな怒りんぼうが好きなの?
僕だったら!もっと、優しいのに!!
2人が想い合っているから……
身を引いたんだよ!!
土方さんへの想いがなくなったなら
僕の事を好きになってよ!!」





突然の無茶苦茶な、総司の告白に



さすがの悠真も、口が開いていた



「悠真がそばにいてくれたら
病だって、真剣に治すよ
甘味がなくても、頑張ってお薬飲むよ
約束する!!
だから……江戸に帰るのは
僕の病が悪くなってからにしてよ!
悪くなったら、移らないように
出家でも、なんでもしていいから
お願い……悠真…
悠真のいない生活なんて、嫌だ
一日一回、悠真に会える楽しみが
僕の… 生きがいなんだ」








総司が、こんなに悠真を想っていたなんて


知らなかった……