【桂小五郎】




夕暮れに屋根上へ


おっと……


また、あの娘……



ん?







今日は、屋根に座ったまま

にこやかに手を振っている



気になるじゃないか……





娘のいる屋根まで行く



「こんにちは!あ!こんばんはかな?」


「こんばんはだろうか?」



フワリと笑う娘は、いつもと違った


赤く染まる空に視線を戻して



「私… 一人で追いかけっこすると
怒られるの!
でも、貴方と仲良くするのも
怒られるかも… ふふっ」




娘の隣に、座った




「聞いてます?
仲良くすると、私…怒られるので」


「俺は怒られない」



「……そうですね」




「なんというか……
もっと、ガツガツした娘だと思っていた」



「ふっ あははっ 間違ってないと思います! 縁談が上手くいかないのは
ガツガツのせいでしょうから!」