「男だけが悪いのかよ?女も同じだと思うけどな。猫みたいに付かず離れず、ズルくて汚ねぇ生き物だろ」


「なっ……もう離れて!!」


ーバンッ!!


あたしは、男を突き離す。

そして、真っ正面から睨み付けた。それはもう、修羅の鬼のごとく。



「もう絶対恋なんてしないし、男を信じない。特に、あなたみたいな奴は信用ならない!!このブリザード男!!」


ついに言ってやった。
ブリザード男って!!ざまぁみなさい、女の敵!!


「痛ぇな……可愛げねーし、男かお前」

「はぁ!?」


ブリザードな上に失礼とは!!
もう、救いようがないじゃないの!!


興奮しているせいか、鼻息さえも荒くなる。


「ったく、心配して損した…」

「……何か言った?」


塞き止められた怒りがダムの決壊のように溢れてしまい、男の言葉を聞き逃した。


だけど、ろくなことじゃないに決まってる。


「おい、発情期迎えた馬」

「な、なっ……」


発情期迎えた馬っ!?
まさかだけど、そのまさかだけど、それはあたしの事!?


信じられなくて、あたしは目を見開いて男を見上げる。