失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。



ーフワリ。

あぁ、何だか良い匂いがする。
なんだったかな、嗅いだ事のある匂い…。


何の匂いか確かめようとして、顔を近づける。
すると、フサフサとした何かが顔に当たった。


え……?


これ、何だろう。
なんか、フサフサしてるし、サラサラしてて、気持ちいい。


「オイ……」

「んん………?」


あれ、すごく低くて掠れた声。
というか、男の人の声が、どうして……。


あたしはゆっくりと目を覚ます。
すると、至近距離にオレンジブラウンの髪が見えた。


「あ……れ……」


あたしは、無意識にその髪を手ですく。
そして、そこにいるはずの無い翔と目が合う。


「おはよう……翔」

「なっ……!!」


フワリと笑うあたしに、翔が息をのんだのが分かった。


ただ挨拶しただけなのに、どうして驚いてるの?
あれ、というか、どうしてここに翔がいるの?


寝ぼけた頭で、必死に考える。

見慣れない部屋の天井と、家のより肌触りの良いシルクのシーツ。


「アンタ、マジでふざけんなよ?」


そして隣には、物凄い剣幕であたしを睨む、上半身裸の男…翔がいる。


待て待て待て。
どこから整理すれば良いのか分からない。