「じゃあ、行くぞ」
「え、えぇ?」
そう言ってさっさと歩いていってしまう翔を呆然と見つめる。
どんだけ自由なの!?
これ、何度も言うようだけど、あまりに自分中心すぎる!
「ま、待ちなさいよ!」
翔に駆け寄ると、翔は少し歩く速度を落とした気がした。
あ、優しい所もあるの……。
「トロイんだよ、林檎」
前言撤回、全然優しくない!
「あなたが早すぎるのよ!」
「フッ」
むくれると、翔はあたしの顔を見て鼻で笑う。
「本当の林檎みたいだな、アンタ」
「は?どういう意味?」
どうせ、ろくな意味じゃないと思うけど、聞いてやろうじゃないの。
隣を歩く翔の顔を見上げる。
すると、翔は不敵に笑った。
「怒って顔赤い、膨れっ面がまん丸で、まさに林檎って意味」
片方の口角を釣り上げて笑う翔に、あたしがさらに顔を膨れっ面にしたのは、言うまでも無い。
それから、お店につくまで、売り言葉に買い言葉のオンパレード。おかげで、店につく頃には、お互い疲れ果てていた。


