「なんて勿体ないイケメン」
「あ?」
あたしの呟きに気づいた翔が、首を傾げる。
「何でもないわよ」
「あっそ。つか、その傘……」
翔は、あたしの持つ紺の傘を見る。
「返せって、言ってたじゃない。だから、はい」
あたしは、傘を翔に押し付ける。
あぁ、可愛くない。
本当は、貸してくれてありがとうって言うべきなのに…。
「今返されても、荷物になるだろーが。そのまま持ってろよ」
「え、何でよ。あたしも荷物になるじゃない」
傘をあたしに押し返す翔に負けじと、あたしも押し返す。
持ち主が受け取ってくれなきゃ、この傘どうするのよ!
というか、何で受け取らないの!?
「な、何なのよもう!!」
あたしはついに押し負けて、その傘をまた受けとる羽目になる。
翔の傘なのに……。
いつ返せばいいの??


